イギリスパン研究会

【第1回】
イギリスパン、食べくらべ。

こんにちは。

「リトルマーメイド・イギリスパン研究会」です(通称・パン研)。

パン研は、イギリスパンをみなさんにもっと楽しんでいただくためには、まず私たちから、と女子社員が集まって結成されました。シンプルゆえにその世界は果てしなく奥深い(はずの)イギリスパンをまじめに明るく楽しく研究していきます。

ところで。

リトルマーメイドというと菓子パンのイメージがあるかもしれませんが、じつはイギリスパンは創業時から思い入れのあるとっても特別なパンなのです。どのくらい特別か数字にしてみると...。

昨年1年間、全国のリトルマーメイド(3月末時点で312店です)でみなさんにお買い上げいただいたイギリスパンを並べていくとどのくらいの距離になるでしょうか。

私たちの本社は、品川区の天王洲アイルにありますので、

東海道五十三次の品川宿からどこまで行けるか計算してみました。

品川宿を発ち、箱根宿を余裕で越えて、浜松宿も通り過ぎ、辿りついたのは33番目の宿場町 二川在の愛知県豊橋市)。並べたイギリスパンの延べ距離は279km!ほどです。

つまり1年と9ヵ月でリトルマーメイドのイギリスパンは京都の三条大橋に到着する計算。

(たくさん買っていただきありがとうございます!)

かようにイギリスパンは、リトルマーメイドにとって特別すぎるパンなのですが、一般的にはどうなんでしょうか??

というわけで、第1回目のテーマは

いろんなパン屋さんのイギリスパンを食べてみよう!


まずは、パン屋さんをピックアップ。

評判のお店、いちど食べてみたかったお店、老舗、CMをよく見かけるベーカリー、いろいろな視点からお店をセレクトしていきます。

ほんとうは日本中のイギリスパンを食べてみたかったのですが、残念ながら今回は東京・神奈川エリアのみ。東海道五十三次でいうと戸塚宿あたりまでです。

で、最終的に32店のパン屋さん、35種類のイギリスパンをチョイス。

さっそくスタッフが4班に分かれて買いまわりです。

朝早くから地元のお客様に混じって開店を待っていると、どのお店も多くの人々に愛されているのが伝わってきます。

(やっぱりいいなあ、パン屋さん...)

たくさんのお店をまわって改めて思うのは、

イギリスパンって、迷わずに買うパンだってこと。

だって、みなさんお店に入ったらサッとイギリスパンの棚に向かって、サッと手にとって、サッと買って帰られる方が多いんですもの。

毎日の生活に必要だから買う。もう決まってるんですね、買うことは。


そうして、たくさんのイギリスパンが集まりました。商品名もストレートに「イギリスパン」なものもあれば、「ハードトースト」や「パン・ド・ミ」「山型食パン」だったり、オリジナルの名前がついていたり様々です。

まずは大きさと重さをチェック。



姿も前から横からパチリ。

準備はOK! 明日は、いよいよ「食べくらべ」本番です。

一夜明け、リトルマーメイド本社の会議室にイギリスパンが並びます。

同じイギリスパンでも、その姿はやっぱり違いますね。

まずは、そのままで試食。次にトーストして試食。

それを順番に繰り返していきます。

自分たちのイギリスパンの立つ位置を知るためにも、試食するたびにホワイトボードにマッピングしていきます。

しっとりか、サックリか?

リーンな味わいか、リッチな味わいか?

いつも新しいパンをつくるときは、試作品をいろんなお店の同じパンといっしょに食べ比べながらおいしさを磨いていくのですが、イギリスパンは定番商品だけにこのような試食会を行うのは久しぶりのこと。

イギリスパン発祥の系譜を継ぐ横浜老舗店のイギリスパンや開店1時間前に並ばないと買えないと評判の高級イギリスパン、同じグループのアンデルセンやタカキベーカリー、そして下町の人気店など、同じイギリスパンでも個性豊かなパンをひとつずつ食べくらべていきます。

パン屋の会社に入ってはじめて知ったことですが、パン屋さんの人ってパンを食べるときによくパンのにおいをかぐんですよ。レストランやカフェでパンを鼻に近づけている方がいたらかなりの確立でその方はパン屋さんかも。

さて。イギリスパンはお肌のチェックも大切。

ツヤや輝き、弾力もおいしさのポイントなのです。光に当てたり、手で押してみたり。触ってみるとパンの保水力がわかるんですね。

手で押すと勢いよく元に戻るパンもあれば、水がとんで老化してしまい押したっきり戻らないパンも...。

(ひ、ひとごととは思えない...)

食べくらべ中のメンバーのコメントを少し拾ってみると...

「これはサワーが入っているね」

「ミミが食べやすい」

「朝さっと食べるにはこのくらいの方がいいよ」

「このにおいは何だろう??」

「トーストすると味がけっこう変わるね」

「ジャマしない味だよね。ふつーにおいしい」

「あれ、昨日食べたときの方がおいしい...」

「特長がないのが好き!サンドイッチにしたくなるよね」

「ブリオッシュになりたかった食パンのよう」

「うちの子、これ絶対食べるわ」

「いい子に育ちそうなパンだよ!」

「ミミを残したくない」

「イギリスパンにしてはずいぶんとリッチなんだね」

ん?

ここであることに気がつきました。

ふだんはあまり意識することはなかったのですが、私たちの中に「イギリスパンってこれだ!」という明確な基準があるようなのです。

先ほどもいいましたが、イギリスパンは定番だけにこういうカタチで試食会を行うのも久しぶりです。

パン研のメンバーには、入社間もない人もこの道数十年のベテランもいます。なのに、みんな知らず知らずのうちに、ある基準をもとに評価しているみたいなんです。

その定義をすごく単純化すると、

「イギリスパンは、シンプルじゃなきゃ!」

ってことのようなのです。どうやら。

その基準で考えると、他のイギリスパンはどれもおいしくて魅力もあるんだけど、毎朝食べるなら自分たちはやっぱりリトルマーメイドのイギリスパンかなあと。

身びいきなだけかもしれないし、食べ慣れているだけかもしれないけれど、愛社精神を差し引いても、改めてリトルマーメイドのイギリスパンに自信が持てた気がするのです。

なんだかとっても宣伝じみた結論になってしまうのですが...。

でも、イギリスパンらしさの基準ってみんなが共通してもっているものなのかしら?

というわけで、リトルマーメイド本社のいろんなシゴトをしている社員のみなさんにも協力してもらってテストしてみようということになりました。

それも、ちょっぴり意地悪してパン屋さんの名前を隠したブラインドテストで...。

お店をまわる運営担当の人や店舗をつくる人、販促物や広告を考える人、教育担当、いろんなシゴトのみんなを集めて次回は、大試食会の開催です。

果たして、リトルマーメイド本社の社員は、どれが自分たちのイギリスパンかわかるのでしょうか?

そして、彼らが選ぶおいしいイギリスパンとは?

(次回に続きます)

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